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戸籍って何?―知っているようで知らない戸籍―

皆さまこんにちは。大阪事務所の司法書士 中村尚です。

日々生活する中で、戸籍に触れる機会はそれほど多くないかと思います。実際に戸籍がどういうものなのか、具体的なイメージは沸きにくいかもしれません。相続が発生した場合に必要になるもの、そんなイメージを持つ方も多いでしょう。そんな戸籍について、以下の事項に沿ってお話させていただきたいと思います。


1.戸籍とは

2.戸籍が新しく作られる原因
 ⑴婚姻
 ⑵戸籍の改製
 ⑶転籍
3.戸籍謄本等の請求(誰が請求できるのか)
4.戸籍の滅失と副本
5.最後に

1.戸籍とは

 そもそも「戸籍」とはどのようなものでしょうか。法務省ホームページの記載によると、「戸籍は、人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもので、日本国民について編製され、日本国籍をも公証する唯一の制度」とされています。要するに、日本人が生まれてから死ぬまでの親子・兄弟姉妹、婚姻・養子縁組などの関係をまとめた公的機関による証明書です。出生の届出がされることで戸籍に記載され、死亡の届出がされることで戸籍から除かれます(除籍)。他にも養子縁組を行えばその旨が記載されていきます。
 親族が亡くなり相続が発生して預貯金や登記の手続きをする際に戸籍が必要とされるのは、戸籍を見れば誰が相続人であるか(誰が預貯金や不動産を受け継いだのか)が一目瞭然になるからです。
 ちなみに、①戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)とは、夫婦及びこれと氏を同じくする子どもごとに編製された戸籍の全ての写しです。②戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)は、夫婦及びこれと氏を同じくする子どもごとに編製された戸籍の一部分の写しです。③除籍謄本(除籍全部事項証明書)とは、戸籍内の全員が戸籍から抜けた場合にできる除籍簿の全ての写しです。以降、①~③をまとめて戸籍謄本等と記載させていただきます。
 戸籍の原本自体は市町村役場に存在して、その写しである戸籍謄本等を請求して受け取ることになります。

2.戸籍が新しく作られる原因

 戸籍が新しく作られる原因には主に3つあります。婚姻、戸籍の改製そして転籍です。

(1)婚姻

 戸籍は夫婦ごとに作成され、その夫婦と子が1つの戸籍に記載されます。戸籍の筆頭者から見てその子の子は同じ戸籍に入ることができません(いわゆる三代戸籍の禁止)。したがって、婚姻をすれば新たに戸籍が作成されることになり、現在の戸籍からは除籍されます。

(2)戸籍の改製

 法改正により、戸籍の様式が変更されることがあります。その新しい様式により戸籍を作り替えることを改製といいます。改製前の戸籍(改製原戸籍)は除籍謄本となり、養子縁組や死亡などの変動が起きた場合には新しく作られた戸籍に記載されていきます。

(3)転籍

 本籍地を移す場合にも新しく戸籍が作られることになります。ちなみに、本籍地は自由に定めることができ、皇居や大阪城など自分と全く無関係の場所に置くこともできます。この点が住民票と異なります(生活の本拠が住所とされるため、全く無関係の場所には住民票を移せない)。

※皇居が日本人の本籍地ナンバー1、大阪城はナンバー2。

3. 戸籍謄本等の請求(誰が請求できるのか)

 例えば、相続で登記や預貯金の手続きをするにあたって亡くなった方の戸籍謄本等を集める場合、出生から死亡までの一式が求められます。通常の場合は、婚姻されていたり、改製が行われていたりという理由で複数の戸籍謄本等を取り寄せることになります。古い戸籍は手書きで、読み解くのに少々難儀することもあります。
 そして、戸籍は個人情報の塊ですので、その写しである戸籍謄本等は誰でも自由に請求することができるわけではありません。請求方法として挙げられるのは、①本人等請求(本人や配偶者、父母や子供など)、②第三者請求等(自己の権利行使に必要な場合)、そして私共司法書士等に認められた③職務上請求です。ここでは皆様が利用される場合が多いと思われる①本人等請求と、弊所が日々行っております③職務上請求について説明いたします。

(1)本人等請求

 市役所等の窓口での請求はもちろん、最近ではマイナンバーカードを利用してコンビニで取得することも可能になっています(コンビニでの取得の方が少しだけ手数料もお得です)。
また、本人等請求の場合は、広域交付といって、最寄りの市区町村の窓口で、全国どこの本籍地のものでも取得することが可能になっています。ただし、広域交付では、コンビニでの取得や郵送での請求はできません。また、コンピューター化されていない一部の戸籍の戸籍謄本等も請求できません。広域交付は便利ではありますが万能ではありません。

(2)職務上請求

 司法書士などの専門職はその資格と責任において、受任した職務を遂行するために必要な範囲で、第三者の戸籍謄本等を請求することができます。相続等で戸籍の収集が必要なケースでは、どの範囲の戸籍が必要になるのかを判断することは難しく、その判断と収集に手間も時間もかかってしまいます。そこで相続の専門家である司法書士が適切に判断を行い、必要な戸籍を集めます。

4.戸籍の滅失と副本

 実は戸籍には正本と副本があることをご存じでしょうか。正本は市区町村役場に備え付けられ、副本は法務局に保存されています。災害等により戸籍簿が大量滅失した場合に、副本から再製します。
 実際に、東日本大震災では津波等で4市町の戸籍の正本が失われましたが、副本から再製することができました。

5.最後に

 今回の投稿が皆様の戸籍についての理解の一助になれば幸いです。相続や戸籍についてのご相談がございましたら、弊所までお気軽にご連絡ください。

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